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by hibiki
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fiatの新エンジン マルチエアテクノロジー

昨日イタリアのfiat社から、今後mitoに搭載される予定の新エンジン、
マルチエアの概要が発表されました。
fiatの新エンジン マルチエアテクノロジー_f0169012_5133794.jpg

世界的な潮流であるダウンサイジングを取り入れた4気筒の1.4Lエンジン
ですがターボチャージャーなどを差し置いて技術的な目玉になるのは油圧
アクチエータを利用した吸気バルブの無段階リフトコントロール。
この機構によってBMWのバルブトロニック等と同様にスロットルバルブレス
での負荷コントロールを実現している事でしょう。

吸気バルブの無段階コントロールについてはBMWのバルブトロニック、
トヨタのバルブマチック、日産のVVELなど各社がすでに実用化していますが
これらの機構は皆カムの動きをモーターによって偏芯運動を可変させられる
中間アームでバルブ本体に伝えるスタイルでした。
(タイミングはVVTで可変させられますが、バルブの動きはあくまでカムの
プロフィールに依存し、リフト量を偏芯させた中間アームで可変)

今回fiatが発表したマルチエアは吸気バルブの駆動を油圧アクチエータに
よって制御し、実質的にはカムの動きと切り離して制御できるようになった所が
も重要な部分でしょう。
最事実今までの他社の機構では実現しえなかったマルチリフトというバルブの
開き方を実現しています。

ただ油圧を使った可変動弁はホンダをはじめ多くの企業で特許が申請されて
居たのが気になります。多分解決すべき問題が多く、今まで実用化されて
居なかったのでしょう。

ですが全負荷領域については任意の動かし方が使えないようでベースカムの
プロフィール依存のリフトになるようでちょっと残念。
ここで完全に油圧制御でのリフトが実現できれば矩形波のような開き方で
理想のオットーサイクルに近い動作が出来たかも知れません。
今後の技術開発に期待してます。

もう少し考えてみると、油圧を使ってバルブを駆動させるのですからいろいろと
心配な点もあります。
1 オイルに気泡が混じった場合の制御性
2 オイルが燃料で希釈された場合のフェイルセーフ
3 バルブ駆動アクチエータの油密性、耐久性
4 オイル劣化
5 バルブアクチエータおよびバルブ駆動用オイルポンプ不良時の
  フェイルセーフ
6 カムシャフト剛性
7 バルブ制御に関する適合工数の飛躍的な増加
8 長期放置後の再始動性
9 制御切り替え時のドラビリへの影響
10 低温及び高温再始動時の制御性

いろいろ心配な点もありますが、フル可変動弁はエンジン技術者のひとつの夢
ですので今後の発展を祈っています。
fiatの新エンジン マルチエアテクノロジー_f0169012_22195433.jpg


EXカムでINカムを駆動させる油圧を発生させています
fiatの新エンジン マルチエアテクノロジー_f0169012_22205525.jpg


一番下の図がマルチリフト。
今後供給油圧の自由度が増えればもっと大胆な駆動も可能になるかもしれません。
fiatの新エンジン マルチエアテクノロジー_f0169012_22212241.jpg

by adr_97jp | 2009-06-18 22:28 | 仕事