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食べて、飲んで、作って、たまに自転車


by hibiki
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運転会@遠州森町 鉄と油と排気ガスと

今日はいつもの春野周回コースから少し外れて一人気ままに
サイクリング。
森町の体験学習施設、アクティ森に差し掛かった所、とても
魅力的なイベントが開催されていました。

その名も「運転会」。決して運動会、ではありません。
そして何を運転するかと言うと・・・






映像のエンジンは1920年代のカナダ製だそうです。
排気量は多分1000cc程度、出力は5hp~8hp程度でしょうか。

先ずは動画を見ていただきたいのですが、動作にとても大きな特徴が
あります。
排気音に注目していただけると分かるのですが、このエンジン、
アイドリングだとかなり「遊んで」います。
無駄な燃料を食わないように、ある程度エンジン回転数が高くなると
バルブの駆動をキャンセルして燃焼させないようになっているのです。
なので石臼をまわしたり織機を動かしたり、負荷がかかれば常時
エンジンに火が入るそうです。
この機構を遠心ガバナと単純なリンク機構のみで実現した先人の
智慧に頭が下がりました。

最近やっと自動車でも普及し始めたアイドリングストップ、80年も前に
このような形で実用化されているとは。
色々な事が進歩してますが、根本の部分はなかなか前進していかない
ものだと感じ入りました。

以下、鉄と油と排気ガスの愉悦。
運転会@遠州森町 鉄と油と排気ガスと_f0169012_23362026.jpg
焼玉エンジン。
運転会@遠州森町 鉄と油と排気ガスと_f0169012_2337115.jpg
少数派の空冷縦型単気筒。冷却の簡便さからか、殆どが横型の水冷です。
運転会@遠州森町 鉄と油と排気ガスと_f0169012_2347463.jpg

動画のエンジンのカム部。80年前のエンジンなのに、ローラータペットを使っています。
運転会@遠州森町 鉄と油と排気ガスと_f0169012_23482489.jpg

同じエンジンのクランク大端。
オープンクランクなのでこのごっつい部品が目の前でグルングルン回るのが
また魅力的。潤滑はオイラーに仕込んだオイルを遠心力で供給しているようです。
運転会@遠州森町 鉄と油と排気ガスと_f0169012_23501525.jpg

代表的なヘッド部分。
OHVが基本ですが、一部SV(サイドバルブ)のエンジンも見受けられました。
また、吸気弁はカム駆動ではなく吸入負圧駆動の物も多いです。
さすが定格回転600~800回転のエンジンですね。
開会式のお話をお聞きしたら昨日はNHKが取材に来ていたそうです。
誰かが保存しなければ失われてしまう、いわば貴重な産業文化遺産ですので
これからも保存と展示をお願いしたいと切に思いました。
運転会@遠州森町 鉄と油と排気ガスと_f0169012_23532359.jpg
本部席では運転会の様子を収めたDVDが販売されていました。
もしロードバイクで行ってなかったら購入してたかも・・・
by adr_97jp | 2010-05-30 18:31 | 考えた事