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食べて、飲んで、作って、たまに自転車


by hibiki
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分子料理、真空調理

昨年末に薄型TVとレコーダーを導入して一変した我が家の
テレビ事情。
妻はAXNのヘビーユーザーになってCSIだのボーンズだの、
何故かクライムサスペンス物と韓国ドラマに夢中。

私はディスカバリーのサイエンス物や歴史物を色々物色して
いるのですが二人で共通して楽しむのはやはり料理関係の番組ですね。

そこで先日放映されていた「アインシュタインの眼」のテーマ、
分子料理法(ガストロノミー・モレキュレール)にはとても興味を
覚えました。
(最初の放送は平成19年なのでスパンの長い再放送です)

人造イクラを作る手法(アルギン酸ナトリウムなど)で作られる
マイクロカプセルの事は聞いたことがありましたが、それ以外の
超低温調理や減圧加熱調理など、とても興味深い内容でしたし、
肉を焼く時、初めに焼き目をつけて肉汁を閉じ込める手法が
実は正しくないと検証されたときは驚きました。

そして一番気になったのは「真空調理法」。

初めは鍋の圧力を減圧して低気圧下で行う調理方法かと思って
いたのですがこれは減圧調理。
減圧下なので沸点が下がり、低い温度で煮汁を煮詰める事が
可能になります。
ちょうど圧力鍋の正反対の料理方法ですね。

番組では真っ赤なままの肉の肉じゃがが紹介されていましたが、
減圧下なら肉が変色する60度以下の温度で煮汁を沸騰させ
られますし、煮汁の吸収も促進出来るのでしょう。
ただ完全な密封容器と圧力計、本格的なコンプレッサーが必要なので
さすがに家庭で楽しむのは無理そうでした。

ところで真空調理とは、食材を真空パックにして、狙った温度で
調理する手法だったのです。
こうすると食材に狙った温度で火を入れることが出来、食材の
エキスを無駄に煮汁に捨てる事が無くなります。
うん、確かに理に適っている。

番組では専用の真空パック装置とスチームオーブンを使って
調理していましたが、それを見ながら実験好きの血が騒ぎます。

真空パック装置⇒ジップロックでいける?
スチームオーブン⇒湯煎+温度計でいける?
焼き目⇒鉄のフライパンとバーナーがあればいける?

というわけで早速試して見ました。





分子料理、真空調理_f0169012_05113100.jpg


常温に戻した豚肉(鹿児島X、セール品 笑)にやや強めに塩コショウして
20分ほど放置。その後フライパンで焼き目を入れつつ上側はバーナーで
一気に焼き目を。
分子料理、真空調理_f0169012_0523457.jpg


15分ほど休ませ、わずかに流れ出た肉汁と一緒にジップロックへ。
ボウルに水を張り、空気を追い出しながら密閉すると機械が無くても
結構空気を抜く事が出来ます。
分子料理、真空調理_f0169012_0535153.jpg


ここから先は温度を見ながら放置。初めてだったので湯煎温度は理想
よりも高い65度 狙い。本当は59度辺りを狙いたいので次回挑戦です。
分子料理、真空調理_f0169012_0545849.jpg


30分ほど加熱して出来上がり。この時点で思ったほど水っぽくは無く
初めに付けた焼き目の香ばしさは十分残っています。
分子料理、真空調理_f0169012_056191.jpg


断面。温度が高目だったのでピンク!とまでは行っていませんがそれでも
普通にグリルすると私の腕ではこんな色には出来ません。
本当に嘘みたいに柔らかくてジューシー。想像以上の出来でした。
分子料理、真空調理_f0169012_057422.jpg


ソースは忘れていたので1分ででっち上げ。
赤ワイン、ハスカップジャム、それに浜松で一番美味しいトリイソースの
ソースを混ぜて煮詰めました。味に深みがあって甘酸っぱい系のソースと
しては自信作です。

とにかく柔らかくてジューシーな事に驚きました。
肉自体は400円もしなかったのですが、お店で頂く料理にも通じる出来栄え。
確かに手間は少しかかりますが、肉を美味しく頂くのにとても有効な
調理方法だと実感です。
次は真っ赤っ赤な牛肉で験してみたいなあ。
by adr_97jp | 2010-03-08 01:04 | 美味しいもの